鉄コン筋クリート(完全生産限定版)
鉄コン筋クリート(完全生産限定版)松本大洋
価格:¥ 7,718 (DVD)
(参考価格:
発売日:2007-06-27
おすすめ度 ★★★★★
宝町で暮らす親を知らない少年クロとシロ。町で“ネコ”と呼ばれるふたりは、かつあげやかっぱらいで暮らしていた。その町で“子供の城”の建設話が持ち上がる。しかし、それは古めかしい宝町を近代化して支配しようとするヤクザの仕業。昔気質のヤクザのネズミは反対するが、彼のボスは謎の男“蛇”にこの計画を一任していた。残酷な蛇はクロとシロを邪魔者だと判断し、刺客をおくる。ケンカでは誰にも負けない凶暴なクロだったが、刺客の前では手も足も出ない。そして追いつめられたシロは刺されてしまう…。
松本大洋原作漫画のアニメ映画化。熱狂的なファンを持つ松本作品だが、この映画はその世界観を想像を超えるほど見事に映像化している。昔懐かしい匂いと迷宮のような不気味さを兼ね備えた宝町の鮮やかな映像、クロ、シロはじめボイスキャストの名演(クロは二宮和也、シロは蒼井優)、原作漫画への深い愛がスクリーンのすみずみまで溢れ、宝町の世界に見るものを自然に飛ばせてくれる。子どもが生きにくい世の中にしてしまった大人たちへ痛烈なパンチをあびせる傑作だ。日本アニメは宮崎駿ワールドが頂点かと思いきや、まったく違ったアプローチと映像世界を持った作品が、その座をおびやかすほどの勢いで登場したことがうれしい。とはいえ監督は米国人のマイケル・アリアス。米国と日本で活躍する映像クリエイターだが、デビュー作とは思えない見事な手腕に脱帽だ。(斎藤 香)
★★★★★ 2007-05-17 2Dアニメのひとつの到達点
物語冒頭から、舞台となる宝町をそこに飛んでいる一羽のカラスの視点からスピード感溢れるビジュアルで俯瞰していくシーンでまず、アニメとしての完成度の高さが分かります。このアジアンテイストの残る未来でも過去でもない雰囲気の街そのものと、ドライブ感とは、まさに圧巻。手持ちカメラ風映像の斬新さと、まさにカット一つ一つがまるで一枚の完成した絵画のような素晴らしさ。
松本大洋の原作漫画によるストーリーは、二人の内面をかなり特殊な進行により描くものであるから、とっつきにくい部分もあるし、暴力描写も激しいから、子供向きではありません。作品にちりばめられた遊び心とエッジ感を楽める少々ビターな(?)大人向きです。
それでも、テーマはハッキリしています。シロとクロに代表されるように、善と悪、光と影、といった陰陽二元論のような設定。クロはシロがあって初めてクロであり、シロに補完されないと“闇”と化してしまう。「二人一緒じゃないと見つからない」というコピーのとおり、シロとクロがお互いを補ってゆくという部分が強調されていた。誰の中にも強毅と無垢が存在し、そのどちらが欠けても生きてゆけない。シロとクロは人間の強さやもろさを命がけで教えてくれるという感じかな。
前評判どおり声優専門ではないキャストが素晴らしかった。二宮和也も好演なのだけど、蒼井優はホントに凄い。まさに無垢な少年!! 田中泯も渋いし、本木雅弘もまさに怪演でした。伊勢谷友介のヤクザぶりも「嫌われ松子の一生」を髣髴とさせるものでした。
アニメーション、声の演出とともに物語を盛り上げているのがUKテクノデュオPlaid(プラッド)によるBGMも効果的だったことを追記しておきます。
★★★★★ 2007-04-14 対極にあるもの
光と闇、愛と暴力、疾走感と失速感。
あらゆる対極にあるものが混在する作品です。
ストーリーは疾走感にあふれており、さらりと観る事ができるでしょう。
そして最後には人それぞれに、何かを残してくれる作品です。
原作の雰囲気を無くさず、声優人の力量も◎
劇場でみた後、思わずグッズを買い漁ってしまいました・・・
まだ観てない方は是非。
劇場でご覧になった方も、限定版で補完を。
★★★★★ 2007-04-10 蒼井さんは天才なんだろうな
始めに書いておくが蒼井さんのファンでも何でもない。
単純に演者としての彼女は天才だと思う。シロという愛すべきキャラクター
に命を吹き込んだだけでなく漫画以上の魅力溢れるキャラクターに仕立てた。
声優以外が吹き替えするのは好きじゃないが蒼井さんだけでなく二宮さんも
キャラクターに合ってた。
見てるとワクワクするしドキドキもするが少し寂しくなるそんな映画。
★★★★★ 2007-04-04 特典映像
作品自体についてはもう文句なし5星。
とにかく今回のDVDの特典映像には、松本大洋&マイケル・アリアスのコメンタリートラックと、アリアス氏&森本晃司氏が作った「鉄コン筋」のパイロット版を収録していただきたいですね。
★★★★★ 2007-04-01 文句なしにおもしろい!!
別に映画のテーマなんてどうでもいい。ただおもしろければ。
NHKの2007年3月27日放送『プロフェッショナル 仕事の流儀』スペシャル版において宮崎駿さんものたもうておられました。
”メッセージなんていう前に、完成させるのに精一杯なんですよ。何かおもしろいと思ってもらえなければ、それで終わりですから。メッセージなんてあるんなら、ただ文章にして「命の大切さ」なんていえばいいんですよ。映画でそんなメッセージを伝えようなんていうのはいかがわしいから、私は信用しない。”
2Dぽく見せる3D、ハンディカメラのようなワーク、イメージの疾走、30年前のような懐かしさでありながらそれでいて無国籍風な風景、ほとばしるバイオレンス、ユニークな心象表現、荒唐無稽でいながらグイグイ引っ張る展開、映画に組み合わせるには斬新な音楽などなど、楽しみどころはいっぱいあると思います。
鉄コンは最高。ただそれだけです。